久山町教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価報告(平成20年度)

更新日:2022年04月01日

第1教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施について

平成19年度6月に交付された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正において、新たに法第27条に「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等」が規定された。 この規定により、平成20年4月1日から全ての教育委員会は、毎年、その権限に属する事務の管理及び執行の状況について点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、議会に提出するとともに、公表することが義務づけられた。また、点検及び評価を行うに当たっては、教育に関し学識経験を有する者の知見の活用を図るものとすることとされた。

第2久山町教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施方針について

1点検及び評価の目的

  1. 久山町教育委員会は、毎年、主要施策や事務事業の取組状況について点検及び評価を行い、その事業の目的、課題や取組の方向性を明らかにすることで、効果的な教育行政のより一層の推進を図る。
  2. また、点検及び評価の結果に関する報告書を作成し、これを議会に提出するとともに、公表することにより、住民への説明責任を果たし、町民とともに、町民に信頼される教育行政を推進する。

2点検及び評価の対象

「久山町教育委員会の基本目標に基づく平成20年度久山町教育の主要施策」

3点検及び評価の実施方法

  1. 点検及び評価は、施策・事業の進捗状況を総括するとともに、その事業の目的、課題や今後の取組の方向性を示すものとし、毎年1回実施する。
  2. 施策・事業の進捗状況等をとりまとめ、学識経験者の意見を聴取した上で教育委員会において点検及び評価を行う。
  3. 教育委員会において、点検及び評価を行った後、その結果をとりまとめた報告書を久山町議会へ提出する。また、報告書は公表するものとする。

第3久山町教育委員会の平成20年度活動の概要について

久山町教育委員会は、久山町町長が久山町議会の同意を得て任命した5名の委員により組織されている合議体の執行機関であり、その権限に属する教育に関する事務を執行している。教育委員会には、教育長が置かれ、教育委員会の指揮監督の下にその事務をつかさどっている。委員の任期は4年である。

教育委員会の会議は原則として毎月定例会を開催し、必要に応じて臨時会、視察等を行っている。平成20年度は、定例会を10回、臨時会1回を開催し、議案7件、報告事項48件、協議事項5件について審議を行った。また、自己研鑽としては、教育委員研修会広島大会(9月)に出席し、町内幼稚園、小中学校への学校訪問を行い、学校教育の現状についての認識を深めた。
平成14年7月に策定された「第二次久山町総合計画」において、「農業」と「都市」との共生に向けた「心身ともに健康で豊かな田園文化都市の創造」という将来像を掲げている。この計画の中では、町民、事業者、行政などのすべての立場の人々が、この共通の目標の実現に向って、英知を結集し、参加・共有・連携を図ることが必要であるとしている。

しかし、今日の科学技術の著しい発展や、国際化、情報化の進展、少子高齢化の進行、深刻化する環境問題など、社会の様々な面での変化が急激に進んでおり、人々の価値観や生活様式が多様化している。
このような状況にあって、次代を築き、自己実現を図りながら生きていく子どもたちには、「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」のバランスのとれた教育を行うことが必要となっている。
このため、学校・家庭・地域がともに手を携えて、子どもたちに未来を拓く確かな学力、主体的・自立的に行動するための資質や能力を身に付けさせ、一人ひとりの個性を見いだし、その伸長を図るとともに、他人を思いやる心、社会に貢献しようとする態度など、豊かな人間性を培うことが重要である。

また、町民一人ひとりが、自己の目標や理想の実現のために生涯を通じて学び続けるとともにすべての町民が参画して、薫り高い文化と伝統が息づく活力ある郷土を築いて行くことが重要である。
このような認識のもとに、久山町教育委員会は教育基本目標として、

  • 未来を拓く英知と豊かな創造性や個性に富み、社会の一員として公共の精神に基づく強い自覚と実践力ある町民の育成
  • 真理と正義を愛し、命あるものを尊び、他者を思いやり、共に生きる心や自立心を持ち、人権を尊重する町民の育成
  • 「道徳の町宣言」を基本理念とする道徳推進運動の充実育成
  • 豊かな感性とたくましく生きるための健康や体力に満ちた町民の育成
  • 文化と伝統を尊重し、それらをはぐくんできたわが町と郷土を愛する態度を養うとともに、国際性豊かな町民の育成

を掲げた。

久山町教育委員会は、この基本目標を達成するため、平成20年度の主要施策を定め、教育分野における地方分権を推進する観点から、幼稚園、小中学校及び関係機関・団体との密接な連携のもと、広く町民の理解と協力を得ながら、積極的かつ着実に施策を推進した。

第4久山町教育委員会の基本目標に基づく平成20年度久山町教育の主要施策

一. 人間性と創造性をはぐくむ学校教育の充実

子ども(注意:幼児・児童・生徒)たちの学びの環境が大きく変化する中、新しい時代をたくましく拓く創造性豊かでチャレンジ精神を持つ子どもたちを育成するためには、確かな学力を身につけさせ、子どもたち一人ひとりの個性や能力を伸長し、豊かな人間性をはぐくむ学校教育(注意:幼稚園・小中学校)の充実が重要な課題となっています。特に、学力については種々の調査により、低下傾向が指摘されており、その対応が求められています。
このため、子どもたちに基礎・基本を定着させ、自ら学び考えるなどの確かな学力をはぐくむための施策を推進するとともに、目的意識を持って進路選択ができるよう多様な体験活動等を通じた教育の充実を図ります。
また、たくましく生きる力を持った子どもを育成するため、園・学校が家庭や地域と連携協力して、子どもたちがいきいきと元気に学ぶことができる信頼される学校づくりを推進します。

教育内容の充実

1 確かな学力をはぐくみ、個性や能力を伸ばす教育の推進
  1. 子どもの学力実態の把握と学力をはぐくむための推進体制の整備に努めます。
  2. 基礎・基本の定着のための指導を徹底するとともに、個性や能力を伸ばす教育の充実に努めます。
  3. 障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育内容・方法及び指導体制の改善・充実に努めます。
2 豊かな心と健やかな体をはぐくむ教育の推進
  1. よりよく生きる基礎を育てる道徳教育の充実に努めます。
  2. 家庭・地域と連携した心の教育の推進に努めます。
  3. 生涯を通して健康で安全な生活を送ることができるよう、健康教育の充実を図ります。
3 社会の変化に対応した教育の推進
  1. 国際化の進展に対応した国際理解教育の推進及び外国語教育の充実に努めます。
  2. ITを活用した情報教育の充実を図ります。
4 楽しく学べる教育環境の整備
  1. いじめ・不登校問題等のない学校づくりを推進します。
  2. 園・校舎の改修等を計画的に推進します。
  3. 子どもの安全確保対策の改善を推進し、危機管理体制の整備・充実に努めます。
5 地域に開かれた信頼される学校づくりの推進
  1. 学校の自主性・自律性を高める特色ある学校づくりを推進します。
  2. 家庭や地域との連携協力による学校づくりを推進します。
  3. 新たな学校運営システムによる学校づくりを推進します。

二. 志を持ったたくましい青少年の育成

青少年を取り巻く環境が大きく変化する中、豊かな人間性や志を持ってたくましく生きる力を養う青少年を育成するためには、家庭や地域の教育力の向上を図り、地域で子どもたちに豊かな心や社会性をはぐくんでいくことが重要な課題となっています。
このため、家庭、学校、地域社会が連携し、町ぐるみの道徳教育や家庭教育の充実を図るとともに、県民運動である「青少年アンビシャス運動」の推進に努めます。

1 家庭・地域の教育力の向上

  1. 家庭教育の充実に努めます。
  2. 関係機関・団体と連携した青少年の健全育成に努めます。
  3. 子どもの安全ボランティアの育成に努めます。
  4. 社会教育関係団体の活性化に努めます。

2 町ぐるみ道徳教育の推進

  1. 家庭での道徳教育の推進を図ります。
  2. 地域全体で子どもを育てる環境づくりを進めます。
  3. 家庭・地域と連携した道徳教育の推進に努めます。

3 青少年アンビシャス運動の推進

  1. 青少年の体験活動を積極的に推進します。
  2. 子どもの読書活動の推進に努めます。

三. 豊かな人生と未来を開く生涯学習社会の実現

人々の価値観や生活様式が多様化し、心の豊かさや生きがいづくりへの志向が高まる中、町民が自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果を社会の中で生かすことのできる生涯学習社会の構築が重要な課題となっています。
このため、関係機関・団体との連携を図りながら、町民の主体的な学習活動を総合的に支援する体制を整備するとともに、町民の多様な学習ニーズにこたえる生涯学習の機会や場の充実に努めます。

1 生涯学習の整備・充実

  1. 生涯学習関係機関・団体の連携協力に努めます。
  2. 学習情報提供及び学習相談の充実に努めます。
  3. 社会教育施設の機能充実・利用促進に努めます。
  4. 生涯学習の普及啓発に努めます。
  5. 社会教育関係職員の資質向上に努めます。
  6. 生涯学習関係団体等の活性化に努めます。
  7. NPOやボランティア団体との連携・協力に努めます。

2 学習の機会・場の拡充

  1. 町民の学習ニーズに応じた学習機会の提供に努めます。
  2. 生きがいをはぐくむ学習機会の充実及び社会参加活動の推進に努めます。

四. 特色ある町民文化の創造

精神的に豊かで、ゆとりのある生活への志向が強まっている中、町民が創造の喜びと潤いを享受するとともに、文化芸術活動が活発に行われ、特色ある地域文化が創造されるような環境づくりが求められています。
このため、町民の様々な文化活動を支援、振興していくとともに、本町の歴史と伝統に培われた貴重な文化資源を町民共通の財産として永く保存・継承し、再生・活用する施策の推進に努めます。

1 芸術文化活動の推進

  1. 芸術文化活動への支援の充実に努めます。
  2. 青少年に対する芸術文化活動の推進に努めます。

2 文化遺産の保存・整備・活用

  1. 主要な文化遺産の保存・整備・活用を図ります。

3 伝統文化の保存・継承・活用

  1. 優れた民族芸能の保存・継承・活用に努めます。
  2. 優れた伝統工芸の保存・継承・活用に努めます。

4 文化財愛護思想の普及啓発

  1. 文化財保護活動の充実に努めます。
  2. 文化財愛護思想の普及啓発に努めます。

五. 生き生きとしたスポーツライフの創造

健康・体力の保持増進や精神的充実をもたらすスポーツ・レクリエーション活動を求める人が増えている中、いつでも、だれでもスポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現が重要な課題となっています。
このため、子どもから高齢者までが、それぞれの体力や年齢、目的等に応じてスポーツが楽しめるよう、関係機関・団体との連携を図り、魅力ある町民スポーツ活動の推進や優れた競技者の育成に努めます。
また、子どものスポーツに親しむ資質や能力を育成するために、学校における体育・スポーツ活動の充実に努めます。

1 魅力あるスポーツ活動の推進

  1. 子どもから高齢者までのだれもがスポーツ活動に参加できる機会の拡充に努めます。
  2. 町民ニーズに応じたスポーツ情報提供の充実に努めます。

2 スポーツ活動指導体制の整備

  1. スポーツ指導者の確保・活用に努めます。
  2. ジュニアからの一貫指導体制の構築に努めます。

3 学校体育等への支援

  1. 多様なニーズにこたえる学校体育、中学校運動部活動への支援に努めます。

4 社会体育施設の利用促進

  1. 社会体育施設、学校開放施設等の機能充実・利用促進に努めます。
  2. 広域社会体育施設の活用推進に努めます。

六. 人権尊重精神を育成する教育の推進

心豊かな町民生活を実現するため、町民一人ひとりが個人として尊重され、その個性や能力を十分に発揮できるような差別や偏見のない社会づくりが重要な課題となっています。
このため、「福岡県人権教育・啓発基本指針」に基づき、広く町民の間に多元的文化、多様性を容認する共生の心を醸成するとともに、一人ひとりが相互の人権を尊重する社会となるよう、人権・同和教育をはじめとする人権教育・啓発をすべての学校・地域社会において推進します。

1 人権・同和教育及び啓発の推進

  1. 子どもの人権尊重の意識を高める教育の充実に努めます。
  2. 社会教育における人権に関する学習の推進・支援に努めます。
  3. 学校・地域社会における人権・同和教育の推進・支援に努めます。

第5久山町教育委員会の基本目標に基づく平成20年度久山町教育の6つの施策の点検及び評価について

一. 人間性と創造性をはぐくむ学校教育の充実

1 確かな学力をはぐくみ、個性や能力を伸ばす教育の推進

施策の取組状況
(1)子どもの学力実態の把握と学力をはぐくむための推進体制の整備に努めました。

学力の向上を図るために、町では、学力向上推進委員会を組織し、教務主任、家庭・地域部会及び研究主任部会で、主体的な授業づくりや家庭学習定着の取り組み、読書活動の推進の取り組みなどを行った。

  • 推進委員会の開催2回、3部会の開催4回、全員研修会1回
  • 各学校の授業改善(校内研究)の取り組み紹介リーフレットの作成
  • 家庭学習に関するアンケート調査をもとにテレビの視聴時間、家庭学習の時間の啓発リーフレットの作成
  • 家庭学習定着のための取り組み(小学生学年×10分、中学生学年×1時間)
  • 読書活動推進リーフレットの作成
  • 校内学力向上推進委員会の開催
  • 少人数指導、TT指導、コース別指導、習熟度別指導など指導方法の工夫。
  • きめ細かな指導や少人数指導などの指導方法の工夫のため、非常勤講師を町費で配置(山田小2名、10月より)
  • 朝読書、ボランティアによる読み聞かせ会の実施
(2)基礎・基本の定着のための指導を徹底するとともに、個性や能力を伸ばす教育の充実に努めました。
  • 小学校では、毎日または集中的に補充学習を実施。(計算タイム、ぐんぐんタイム、はげみタイム)
  • 中学校では、毎週3日20分間、国語・数学・英語の教科指導を実施
  • 学生、地域ボランティアを活用した補充学習の実施
  • 夏期休業中の補充学習の実施
(3)障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育内容・方法及び指導体制の改善・充実に努めました。
  • 町特別支援教育担当者会の開催(年3回)
  • 町特別支援教育交流会の開催(年1回)
  • 特別支援教育コーディネーターによる支援体制の工夫
  • 個別の年間指導計画の作成ときめ細やかな個別指導の実施
  • 就学指導委員会による適正就学の実施
今後の取組の方向性
  • 「読書活動の啓発」「家庭学習の啓発」については、学力向上の基礎と捉え継続して推進していきます。
  • 学力実態調査の結果を、次年度の学力向上プランに反映させます。
  • 久山町学力向上推進委員会の3部会(教務主任・家庭地域部会、生徒指導部会、研究主任部会)の一層の活性化を図ります。
  • 学校・家庭・地域が連携し、子どもが読書に親しむ活動を推進します。

2 豊かな心と健やかな体をはぐくむ教育の推進

施策の取組状況
(1)よりよく生きる基礎を育てる道徳教育の充実に努めました。
  • 町道徳推進委員会の開催(定例会4回、あいさつ運動毎月1回)
  • 道徳学習公開授業の設定
  • 体験活動と結びつけた道徳の授業の実施
  • 町福祉協議会主催「福祉のつどい」への発表・参加
(2)家庭・地域と連携した心の教育の推進に努めました。
  • 町道徳推進委員会家庭部会、地域部会との連携によるあいさつ運動の実施
  • 早寝・早起き・朝ごはん運動の実施
  • 道徳記念講演会、道徳カルタ大会の実施
  • 地域の人や福祉施設の老人との交流
(3)生涯を通して健康で安全な生活を送ることができるよう、健康教育の充実に努めました。
  • 給食の時間や特別活動における食育教育の実施
  • 体育の時間の充実と清掃活動をとおした体力(握力、筋力)の向上
  • 体力・運動能力、運動習慣等調査の実施
  • 性教育、エイズ教育の実施
  • 学校保健委員会の開催
今後の取組の方向性
  • 体験を生かした道徳の時間の充実を図るため、年間指導計画の見直しをします。
  • 地域の方との交流を生かした道徳教育を展開します。
  • 規範意識の向上を図るため、非行防止学習を教育指導計画の中に位置づけます。
  • 全小中学校で体力・運動能力等の調査を実施し、課題に即した体育・保健体育の授業づくりを進めます。
  • すべての子どもが朝食をとってくるように、家庭への啓発をさらに進めます。

3 社会の変化に対応した教育の推進

施策の取組状況
(1)国際化の進展に対応した国際理解教育の推進及び外国語教育の充実に努めました。
  • 中学校の韓国修学旅行の実施と交流活動の実施
  • 小学校における英語活動の推進(地域ボランティアの活用・中学校英語教師による授業)
  • 中核教員を中心に英語活動カリキュラムの作成
  • アジア・太平洋子ども会議と小学校との交流会の実施
(2)ITを活用した情報教育の充実を図りました。
  • 各幼稚園に教師用コンピュータを各1台配置し、各学校へは児童用コンピュータ40台と教師用久原小学校22台、山田小学校19台、久山中学校21台を配置小中学校においては、校内LAN整備済
  • CDソフトなどの備品の配置
  • コンピュータリテラシーや情報モラル教育の実施
  • 情報モラルに関する研修会の開催及び携帯電話によるトラブルや非行防止等についての啓発リーフレットの作成
今後の取組の方向性
  • 外国語活動の推進については、新学習指導要領の円滑な移行を図るため、小学校高学年を中心に発達段階に応じた指導を行い、中学校へのスムーズな外国語活動の移行に繋げていきます。
  • 子どもの情報機器活用能力を高めるために、教職員の指導力の向上を図ります。
  • 個人情報の保護を充実させるため、各学校の教職員への指導を徹底します。

4楽しく学べる教育環境の整備

施策の取組状況
(1)いじめ・不登校問題等のない学校づくりを推進しました。

町内生徒指導委員会での指導・助言及び研修内容等の情報交換の実施 ・小学校に教育相談員1名配置(週3回)、中学校に心の相談員2名配置(週3回) ・20年度の不登校は、糟屋地区の他の小中学校と比べると極めて少数

(2)園・校舎の改修等を計画的に推進しました。

久原小学校特別支援教室の増築 ・中学校校舎及び体育館耐震診断の実施

(3)子どもの安全確保対策の改善を推進し、危機管理体制の整備・充実に努めました。
  • 学校支援要員の2名配置。防犯ブザーの小学生への配布 ・地域見守り隊の組織化など、地域と連携した安全対策の実施
  • 校区安全対策委員会による地域パトロールの実施 ・学校における安全指導の実施と安全マップの作成
今後の取組の方向性
  • きめ細かな指導と相談体制の充実のため、「いじめ問題総合対策」を確実に実施し、指導や対応の時期を的確に捉えた効果的な生徒指導を充実させます。
  • 生徒指導主事の資質向上を図る研修会やいじめ・問題行動への迅速かつ効果的な対応についての研修会の参加を奨励していきます。
  • 不登校に対するきめ細かな対応と相談体制を充実させるため、「児童生徒の欠席状況調査」を活用した小中連携の充実を図ります。
  • 不登校の解消にチームとしての組織的な指導体制を整備するため、学校とスクールカウンセラー、スーパーバイザーとの連携を図ります。
  • 各学校の安全性施設点検結果に基づき、安全確保の推進を図ります。

5地域に開かれた信頼される学校づくりの推進

施策の取組状況
(1)学校の自主性・自律性を高める特色ある学校づくりを推進しました。

県教育センターと連携した校内研究・授業づくりの実施(山田小) ・教科専門性を生かした交換授業の実施(久原小) ・地域教材、地域人材を活用した授業づくりの実施(久山中、久原・山田小)

(2)家庭や地域との連携協力による学校づくりを推進しました。

地域ボランティアを活用したふるさとタイム、山田っ子祭り、久原っ子祭りの実施 ・読書ボランティアの活用による年間読書数100冊の達成 ・町商工会と連携した職場体験の実施

(3)新たな学校運営システムによる学校づくりを推進しました。

学校評議委員を中心にした関係者評価の実施 ・小中合同研修会(人権、道徳)の実施

今後の取組の方向性
  • 各学校の特色を明確にし、教育課程を構造化し編成することや教育課程を外部評価にかけるなどの新たな システムを検討していきます。
  • 中一ギャップの解消を図るため、小中学校が連携した教育活動を進めます。
  • 小中合同の研修会(人権教育、道徳教育)については、引き続き実施していきます。

二. 志を持ったたくましい青少年の育成

施策の取組状況

1.家庭・地域の教育力の向上
(1)家庭教育の充実に努めました。

社会教育委員会議の開催(10名の委員で構成毎月定例会議) ・子育て支援団体等の社会教育施設の活用支援 ・子育て支援講演会を実施(各幼稚園、小学校、中学校でPTA主催)

(2)関係機関・団体と連携した青少年の健全育成に努めました。

青少年補導員による町内巡回補導を実施(中久原祇園祭り、夏季休業期間にトリアス久山、祭りひさやま)

(3)子どもの安全ボランティアの育成に努めました。

地域の子ども安全ボランティア対して「校区安全パトロール」帽子及びステッカーを配布

(4)社会教育関係団体の活性化に努めました。

社会教育研修会の実施(講師:福岡県新社会推進部青少年課青少年アンビシャス運動推進室事務主査 森田明敬氏)

2.町ぐるみ道徳教育の推進
(1)家庭での道徳教育の推進を図りました。

「“久山”家庭教育宣言」の実施(久山中学校と久原小学校は1回、山田小学校は2回) ・ふれあい弁当の日の実施(久山中学校と久原小学校は1回、山田小学校は6回) ・手作り弁当の日の実施(久山中学校と久原小学校では4回、山田小学校は3回)

(2)地域全体で子どもを育てる環境づくりを進めました。
  • 道徳推進委員会の開催(社会教育関係団体等の会員31名で構成会議7回)
  • 毎月20日の道徳の日に、あいさつ運動を実施
  • 道徳記念講演会を実施(講師:九州大学大学院農学研究院助教佐藤剛史氏)
(3)家庭・地域と連携した道徳教育の推進に努めました。

道徳カルタ大会を実施(町子ども会育成会連絡協議会主催) ・小学校の新1年生及び転入児童に道徳カルタを配布

3青少年アンビシャス運動の推進
(1)青少年の体験活動を積極的に推進しました。
  • 久山町アンビシャス推進協議会の開催
  • 各分館の地域青少年アンビシャス運動、地域通学合宿の支援
  • 久山わいわいクラブアンビシャス広場(久原)と山田ジュニアクラブアンビシャス広場の支援
  • アジア太平洋こども会議久山町ホストファミリー実行委員会による国際交流の実施(モンゴルより9名受入)
  • アンビシャス子ども相撲大会の実施。(久山町アンビシャス推進協議会主催)
(2)子どもの読書活動の推進に努めました。

図書館主催のお話し会の実施 ・図書館ボランティアの読み聞かせボランティア「○(まる)の会」「もこもこ」布絵本ボランティア「ふわふわ」の支援

今後の取組の方向性

  • 学校、家庭、地域及び関係機関、関係団体相互の連携及び協力を促進し、社会全体の総合的な教育力の向上を目指します。
  • 平成18年度に採択された、「今後20年間道徳の町宣言を基本理念とし、使命感と情熱をもって道徳推進運動を継続する。」という道徳推進運動30周年記念アピールを受け、学校・地域・家庭が一体となった道徳推進運動を継続します。

三. 豊かな人生と未来を開く生涯学習社会の実現

施策の取組状況

1生涯学習の整備・充実
(1)生涯学習関係機関・団体の連携協力に努めました。
  • 生涯学習の発表の場としての生涯学習フェスタ祭りひさやまの実施
  • NPO法人ヒア・アンド・ナウによるクリスマスコンサート、劇団わらび座によるわくわく和ライブの実施(小中学生による琴・和太鼓演奏)
2学習の機会・場の充実
(1)町民の学習ニーズに応じた学習機会の提供に努めました。
  • キッズ英会話教室の実施(初級・中級・上級の3クラス各30回)
  • パソコン教室の実施(ワード:6回、エクセル:6回、安心編:9回)
(2)町民の学習の場の提供に努めました。

子供書道教室、川柳教室、フラワーアレンジメント教室、バレエ教室、体操教室、ダンス教室、エアロビクス教室の場の提供

今後の取組の方向性

  • 改正教育基本法及び社会教育法を踏まえ、学習の機会の提供及びその奨励を行なうことにより、生涯学習の振興に寄与するものとなるよう努めます。
  • アンケート調査等を行なうことにより、町民のニーズの把握に努めます。

四. 特色ある町民文化の創造

施策の取組状況

1芸術文化活動の推進
(1)文化活動への支援の充実に努めました。

町文化協会活動支援(加盟サークル数34団体、会員数390名)

(2)青少年に対する芸術文化活動の推進に努めました。
  • わいわい文化広場の実施(小学生対象華道教室:16回、茶道教室:16回)
  • 学校の文化事業に対する講師の派遣
2文化遺産の保存・整備・活用
(1)主要な文化遺産の保存・整備・活用を図りました。
  • 首羅山遺跡シンポジウムを開催し現地見学会の実施
  • 久山の仏像の報告書作成
  • 古文書の調査の実施(中久原河邉文書)
  • 首羅山遺跡発掘指導委員会の開催
  • 首羅山遺跡(県補助事業)、五反田遺跡、上ヶ原遺跡の発掘調査を行い、事前審査(申請81件中試掘4件)の実施
3伝統文化の保存・継承・活用
(1)優れた民俗芸能の保存・継承・活用に努めました。
  • 民俗芸能、祭りの記録(中久原祇園祭り)
  • 町内地名聞き取り調査の実施(中久原地区)
4文化財愛護思想の普及啓発
(1)文化財保護活動の充実に努めました。
  • 文化財保護審議委員会の開催
  • 文化財めぐり年2回と月に1回の歴史文化勉強会の開催(山久会主催)
  • 首羅山遺跡パネル展と白山神社経塚及び出土遺物展の実施
  • 文化財案内看板の設置(白山宮、首羅観音堂)

今後の取組の方向性

  • 芸術文化活動の推進につきましては、文化協会への支援は引き続き継続し、わいわい文化広場の拡充を図ります。
  • 国、県、財団法人等の支援事業の積極的な活用等、伝統文化保存団体への情報の提供に努めます。
  • 民俗芸能の発表機会の提供に努めます。
  • 文化財案内看板の設置を推進します。

五. 生き生きとしたスポーツライフの創造

施策の取組状況

1魅力あるスポーツ活動の推進
(1)子どもから高齢者までのだれもがスポーツ活動に参加できる機会の充実に努めました。
  • 久山スポーツクラブの活動支援(登録クラブ数一般9クラブジュニア8クラブ登録者数577名)
  • ネイチャーウォーキング(体育指導委員会主催)、町民ソフトボール大会、町民ソフトバレーボール大会、町民綱引き大会(久山町スポーツクラブ主催)の実施
  • ジュニア&シニアスポーツフェスティバル(久山スポーツクラブ主催)の実施
2スポーツ活動指導体制の整備
(1)スポーツ指導者の確保活用に努めました。

久山スポーツクラブ一般部員による青少年の指導(少年野球部・ジュニアサッカー部、武道会等)

3学校体育等への支援
(1)多様なニーズにこたえる学校体育、中学校運動部活動への支援に努めました。

久山スポーツクラブ一般部員による中学校部活動の指導(久山中学校サッカー部・久山中学校女子バレー部・久山中学校剣道部等)

4社会体育施設の利用促進
(1)社会体育施設、学校開放施設等の機能充実・利用促進に努めました。

学校施設開放(グラウンド3体育館3)及び社会教育施設(グラウンド等2体育館等3)の利用促進

(2)広域社会体育施設の活用促進に努めました。

指定管理による活用促進

久山ケイマンゴルフ場(年28回の大会開催、延利用者数8,247名)
福岡久山相撲場(年20回の大会開催、延参加者数3,418名・延観客数5,180名)

今後の取組の方向性

  • 久山スポーツクラブ主催のスポーツ大会については、今後も老若男女及び初心者でも気軽に参加できる大会の開催をスポーツクラブと連携をとりながら、企画検討いたします。
  • 学校施設の開放については、スポーツクラブ加入団体や、定期利用団体に対し、地域スポーツを振興すると共に、各学校の実情に即した施設開放を促進し、学校開放を推進します。久山ケイマンゴルフ場、福岡久山相撲場については、今後も指定管理を継続し、生涯スポーツの推進に努めます。

六. 人権尊重精神を育成する教育の推進

施策の取組状況

1人権・同和教育及び啓発の推進
(1)子どもの人権尊重の意識を高める教育の充実に努めました。
  • 人権・同和教育研究会を山田小学校で実施(久山町学校人権・同和教育研究協議会主催)
  • 人権・同和問題講演会の実施(講師:山口県人権啓発センター事務局長川口泰司氏)

今後の取組の方向性

人権教育及び人権啓発の推進に関する法律や福岡県人権教育・啓発基本指針の基づき、人権尊重の理念を広く社会に定着させるため、一層の人権教育・啓発の推進を図ります。

久山町教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価についての意見書(全文)

平成21年5月12日
糟屋郡久山町教育委員会
中山清一殿
国立大学法人福岡教育大学
教授大坪靖直

久山町教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価についての意見書

久山町教育委員会の基本目標に基づく平成20年度久山町教育の主要施策について、教育活動報告書等学校教育に関する資料6点、および、社会教育関係主要事業一覧等社会教育に関する資料22点を精査した。その結果、「久山町第二次総合計画(2002)」と対応した主要施策が計画されており、それらの 事業がおおむね適切に執行されたと思われる。
教育委員会による点検及び評価では、学校教育や青少年の健全育成等6つの施策について、取組状況を点検するとともに今後の取組の方向性が示されている。 しかし、この形式では、まだ読み取りづらいと思われる。久山町のよりよい教育状況を実現するために、自己点検・評価の客観性を保証しつつ、事業の成果(効果)と課題を容易に読み取ることのできる報告書の形式(評価システムを含む)に改善することが求められよう。
その際には、以下の点を考慮することが望ましい。

1.中期と短期の2つの評価サイクルを設定すること

教育に関する目標には、長期にわたる継続的な取り組みが適しているものと、短期に集中的に行う取り組みが行う取り組みが適しているものとがある。また、 1年間に解決できる課題の数には自ずと限界がある。そこで、3~5年程度の中期計画期間を通して達成しようとする目標を基本として、各年度の計画を整理することが望ましい。

2.単年度の計画においては、教育委員会の役割を正確に記述すること

学校教育や社会教育の具体的なプログラムやサービスは、学校や社会教育に関わる諸機関によって提供されるものが多い。これらの場合、教育委員会の役割は、それらの機関の活動を指導したり、支援したりすることになるので、活動の主体が誤解されないように正確に表現してもらいたい。

3.取組の指標と成果の指標の2つを設定すること

目標達成のために教育委員会が行ったことは、過不足なく報告書に記載してもらいたい(取組の指標)。また、その結果として、久山町の教育の状況がどのように改善されたのか、あるいは、どのような課題が残されているのかという視点も大切にしてもらいたい(成果の指標)。報告書では、単年度の計画と取組の指標が、中期計画の目標と成果の指標が、それぞれ対応づくことになる。

以上

(資料)久山町教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価実施要綱

目的

第1条

この要綱は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第27条の規定に基づき、久山町教育委員会(以下「委員会」という。) が自らの権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価を実施するために必要な事項を定めることにより、効果的な教育行政の一層の推進を図るとともに、町民への説明責任を果たし、町民に信頼される教育行政を推進することを目的とする。

定義

第2条

この要綱において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。

  1. 点検個々の施策及び事業のこれまでの取り組み状況や成果について、取りまとめることをいう。
  2. 評価個々の施策及び事業についての点検を踏まえ、課題を検討するとともに、今後の取り組みの方向性を示すことをいう。

点検及び評価の対象

第3条

点検及び評価の対象は、毎年度策定する「久山町教育委員会教育基本目標」で定める主要施策とする。

点検及び評価の実施

第4条

点検及び評価は、「久山町教育委員会教育基本目標」で定める主要施策の進捗状況を総括するとともに、課題や今後の取り組みの方向性を示すものとし、毎年1回実施する。

  1. 点検及び評価を行うに当たっては、教育に関し学識経験を有する者の知見の活用を図るものとする。
  2. 委員会は施策・事業の進捗状況等を取りまとめ、教育に関し学識を有する者の意見を聴取する機会を設けるものとする。
  3. 委員会は点検及び評価を行った後、その結果を取りまとめた報告書を作成し、久山町議会へ提出する。また、報告書は公表するものとする。

その他

第5条

この要綱に規定するもののほか、この要綱の施行に関し必要な事項は、教育長が定める。

附則

この告示は、公布の日から施行し、平成20年度に実施する点検及び評価の対象は、平成20年度に策定する「久山町教育委員会教育目標」で定める主要施策とする。

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