剖検事業終了記念式典 〜ひさやま健診・研究の歴史と未来〜
11月18日、剖検事業が令和4年度をもって終了したことに伴い、これまでご協力いただいた皆さまへの感謝と剖検事業の歴史と未来への思いを伝えていくことを目的に記念式典を開催しました。
今から62年前の昭和36年、「町民の健康を第一に」という思いから、九州大学、町内開業医、町とが一体となって行う「成人病健診(現在の生活習慣病予防健診)」が始まり、翌年に「病理解剖」が開始されました。
その成果は、日本の医学はもとより、世界の医学にも大きく貢献し、久山町は国や県、民間団体から数々の表彰をいただきました。そして現在は、町民の皆さまの生活習慣病の発症を予防するだけでなく、世界的な課題になりつつある認知症の予防研究にまで発展し、社会課題の解決に寄与しています。
そんな中、世界的なパンデミックを引き起こした「新型コロナウイルス感染症」は、今後の「ひさやま方式」を未来に向けて見つめ直すきっかけになりました。剖検事業を一時中止した間、その再開に向けて、町と九州大学で慎重に協議を重ねてまいりました。近年の画像診断などの診断技術の進歩で死亡原因の診断精度も大幅に向上したことなどにより、剖検事業を終了することとなりました。
式典では、九州大学医学部名誉教授、現ヘルスC&Cセンター長である清原 裕 氏から『久山健診と研究の歴史』を、現在の九州大学久山町研究室主任の二宮 利治 氏から『今後の久山町における健康づくりへの取り組み』を、それぞれご講演をいただきました。また、昨年度の山田小学校6年生が自分たちで調べ、話を聞き、制作した絵本、「私たちと久山の健康ものがたり〜未来を支えるカルテ〜」の久山中学校放送部による朗読や久原小学校音楽クラブの皆さんによる「ふるさと」の合唱が行われ、先人たちの功績と未来に向けたメッセージが感じられる式典となりました。
剖検事業が始まった当時から続く、「医学の発展に貢献できるなら、進んで協力しよう」という町民の皆さまの崇高な精神と紡いできた思いを受け継ぎ、久山町の健診では今年度から、胸部CT健診、心不全マーカーなど、他自治体にない新たな検査項目を取り入れ、新たな挑戦に取り組んでいます。
ヘルスC&Cセンター長 清原氏
九州大学久山町研究室主任 二宮氏
久山中学校放送部の皆さんによる朗読
久原小学校音楽クラブの皆さんによる合唱
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更新日:2023年11月20日