道徳通信

 平成16年11月23日(祝)午後1時からレスポアール久山において、道徳サミット〜九州の道徳の町からの提言〜が開催されました。
この道徳サミットは、町ぐるみで道徳教育に力をいれている長崎県有家町と鹿児島県横川町を招き、「これからの子ども達の道徳性をいかにたかめるか」と題し、福岡教育大学教授 横山正幸先生がコーディネーターとなり、三町の教育行政のトップによる道徳推進活動の事例発表を交えながら、地域や家庭の教育力のもつ重要性、これからの道徳教育のあり方など、様々な角度から子ども達の道徳性を高めればよいか、論議されました。
 基調講演では、横山正幸教授による「心の豊かな子ども達をために〜今、私達がすべきこと〜」と題し、道徳性に関わる意識調査から、今の子ども達には笑顔がなく、道徳性に欠けていることを指摘。トルコやウイグルの子ども達の生活からその道徳性を培う家庭生活、家庭の教育力の重要性を力説されました。
 「今の子ども達が志をもって生きていくためには、発達段階に応じての自主性、耐性、道徳性などの『心の能力』をしっかり身につけさせることが、特に大切である。」と強調されました。
シンポジウムで出された意見を基に共同コミュニケ(全文掲載)がまとめられ、三町を代表し、久山町の鉢嶺教育長から発表され、道徳サミットが閉幕しました。

道徳サミット共同コミュニケ

 我々、町ぐるみで子どもたちの豊かな心の育成や道徳教育に取り組んでいる九州の三つの町は、最近の子どもたちの心の問題や道徳教育に係わる緊急の課題について話し合うために久山町で会合した。そして、新しい時代を担う子どもたちの「生きる力」の中核になる豊かな人間性を育てるために、下記の事項を決議した。

  1. 家庭と地域と学校は、それぞれ教育の場としての役割と責任を確実に果たすとともに、今後とも、連携を密に取り、互いに助け合いながら、日本の未来を託す子どもたちの道徳性の育成にあたっていく。また、親、大人、教師が子どもたちに生き方のモデルを行動で示していく。
  2. 三町(横川町、有家町、久山町)は、今後も、それぞれの町の子どもたちの豊かな心を育てていくために、道徳教育推進に関する情報や人の交流を図っていく。
  3. 上記の事項を達成するため、三町の家庭と地域と学校はそれぞれ次の取り組みを行っていく。
    1. 道徳教育の原点は家庭教育である。その重要性は、どんなに社会が変化しようと変わることはない。そのために家庭では、
      1. 家庭でのしつけを充実する。
        善悪を区別する力や我慢する心、譲り合う心、挨拶や礼儀等、社会の中で生きていくための基本的な決まりなどを子どもたち一人一人に身に付けさせていく。
      2. 家庭での日常生活を基本にした教育の充実を図る。
        絵本などの読み聞かせ、家庭での年中行事や地域の行事への積極的な参加、子どもに毎日決まった手伝いをさせるなど家庭での役割を与える、テレビやゲームに費やす時間を制限するなど、忍耐力を養い、規律ある生活習慣を身に付けさせるための「我が家の決まり」づくり等を行う。
      3. 家族で共有できる時間を多く持ち、親子のコミュニケーションを大切にする。
        食事はできる限り家族で一緒にするなど、家族の団らんの時間を増やすとともに、親子で活動する時間を必ず持ち,親子の会話を充実させる。
    2. 地域社会において、子どもたちが他者と触れ合う中で人間関係や集団のルール、公共心や規範意識、勤勉性や自己規制の力などを身に付けることができるよう、地域全体で子どもを育てる環境づくりを進めていく。そのために地域では、
      1. 「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に、地域の大人が子どもたちに積極的 に挨拶や声かけを行う。他人の子どもに対しても、叱るべきは叱り、悪いことは悪いと教えることを通じて、人として身に付けるべき基礎・基本をしっかりとしつけていく。
      2. 地域の大人が指導者となり、地域の文化・スポーツ活動や奉仕活動や宿泊活動等、異年齢での交流活動の場と機会を設定する。
      3. 町は指導者となる地域の大人の人材リストをつくるとともに、運営や活動がスムーズに進むように支援を行う。
    3. 学校においては教育活動全体を通じて、子どもの道徳的な心情・判断力・実践意欲と態度などの道徳性を養う道徳教育を積極的に進めていく。さらに、学校は地域の道徳教育の情報センターとしての機能を果たす。そのために学校では、
      1. 特に、道徳の時間の充実を図り、「人の命の大切さ」や「思いやり」等の道徳的価値及び人間としての生き方についての自覚を深め、道徳的実践力を確実に育成する。
      2. その際、体験活動と結びつけたり、地域の人やその道のプロを講師として学校に招き、子どもたちの心に響く道徳の時間になるよう授業の工夫・改善を行うとともに、地域に生徒達が出かけて、福祉・奉仕活動を実践できる場を設定する。
      3. 子どもたちの道徳性や道徳教育に関する情報は、家庭と地域に学校から発信するとともに、学校は家庭や地域の道徳教育の支援・援助を行う。
    4. 今後、町民あげて子どもたちの道徳教育にあたる町が増え、道徳サミットに参加する市町村を全国に広げていくためにも、道徳サミットのインターネットのホームページを立ち上げる準備を進める。

平成16年11月23日 第1回道徳サミット
鹿児島県横川町教育委員会、長崎県有家町教育委員会、福岡県久山町教育委員会

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